○千曲坂城消防組合違反処理規程
平成15年10月1日
訓令第35号
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び千曲坂城消防組合火災予防条例(昭和48年千曲坂城消防組合条例第6号。以下「条例」という。)に定める違反(以下「違反」という。)の是正並びに出火危険、延焼拡大危険及び火災に係る人命危険の排除を図るため、必要な事項を定めるものとする。
(違反処理の主体)
第2条 違反処理の主体は、管理者又は消防長若しくは消防署長(以下「消防長等」という。)が行う。
2 前項の消防長等が行う違反処理のうち、法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づく措置命令については、消防長等以外の消防吏員がこれを行うことができる。
3 消防吏員は、前項の措置命令を行ったときは、消防長等に事案のてん末を速やかに報告しなければならない。
(違反処理の区分)
第3条 違反の処理は、次の区分による。
(1) 警告
(2) 命令
(3) 認定の取消し
(4) 許可の取消し
(5) 告発
(6) 過料事件の通知
(7) 代執行
(8) 略式の代執行(法第3条第2項又は法第5条の3第2項の措置)
(違反処理の基本的留意事項)
第4条 違反処理は、関係者が受ける権利の制限及び処理の対象となっている消防上の危険性を考慮し正当なもので、次の各号に掲げる事項に留意して行わなければならない。
(1) 違反処理は、違反の内容又は火災危険の重大性に着目し、時機を失することのなく厳正公平に行うものであること。
(2) 違反処理事務を行うに当たっては、関係者に対し誠実、かつ、沈着、冷静に対処するものであること。
(3) 違反処理を行った事案については、適時、追跡調査を行い、その是正促進に努める。
(違反の処理基準)
第5条 違反の処理は、違反処理基準(別表第1)に定めるところにより処理しなければならない。
2 違反の事実が明白で、かつ、火災予防上、人命安全上猶予できないと認める場合又は特異な違反事案の処理に係る場合は、違反処理基準に定める措置順序によらないことができる。
(違反の調査等)
第6条 消防職員(以下「職員」という。)は、職務の執行に際し違反事項に該当すると認める違反を発見し、又は聞知した場合は、速やかに消防長等に報告しなければならない。
2 前項の報告を受けた消防長等は、職員に命じ速やかに違反の事実の調査に当たらせるものとする。ただし、立入検査により違反の事実が確定している場合は、調査を省略することができる。
第7条 職員は、違反の調査に際し関係のある者に質問を行った場合で、必要があると認めたときは、質問調書(様式第2号)を作成しておかなければならない。
2 消防長等は、緊急に措置する必要があると認める場合で、前項の警告書を発するいとまがないときは、口頭で必要な事項について警告することができる。この場合、事後速やかに警告書を発行するものとする。
3 警告書を交付した場合で必要があると認めたときは、当該違反者から警告事項の履行に関する改善計画書(様式第4号)を提出させるものとする。
4 職員が第2項の規定により口頭で警告を発した場合は、その内容を遅滞なく消防長等に報告しなければならない。
(事前手続)
第9条 次に掲げる処分は、行政手続法(平成5年法律第88号。以下「手続法」という。)第13条第1項第1号に規定する聴聞が必要な不利益処分とする。
(1) 法第8条の2の3第6項及び法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項の規定による防火・防災管理対象物の特例認定の取消し
(2) 法第12条の2第1項の規定による製造所、貯蔵所又は取扱所(以下「製造所等」という。)の許可の取消し
(3) 法第13条の24第1項の規定による危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令
2 次に掲げる処分は、手続法第13条第1項第2号に規定する弁明の機会の付与が必要な不利益処分とする。
(1) 法第5条第1項の規定による防火対象物に対する火災予防措置命令
(2) 法第5条の2第1項の規定による防火対象物に対する使用禁止命令等
(3) 法第5条の3第1項の規定による防火対象物に対する危険排除のための措置命令
(4) 法第8条第4項、法第8条の2第6項並びに法第36条第1項において準用する法第8条第4項及び法第8条の2第6項の規定による防火・防災管理上必要な業務の適正執行命令
(5) 法第12条の2第1項及び第2項の規定による製造所等の使用停止命令
(6) 法第14条の2第3項の規定による予防規程の変更命令
(教示)
第9条の2 不服申立てのできる処分を書面で行う場合は、法律の定めるところにより教示しなければならない。
2 消防長等は、緊急に措置する必要があると認める場合で、前項の命令書を発するいとまがないときは、口頭で必要な事項について命令することができる。この場合、事後速やかに命令書を発行するものとする。
3 法第3条第1項及び法第5条の3第1項の規定に基づく命令については、立入検査その他の業務の遂行中において、違反処理基準の命令の措置をとるべきものに該当する違反を発見した消防吏員が命令書(様式第5号その1)を交付し命令を行うものとする。
4 消防吏員が緊急に措置をする必要があると認める場合で、前項の命令書を発行するいとまがないときは、口頭で必要な事項について命令することができる。この場合、事後速やかに命令書を発行するものとする。
5 命令書を交付した場合は、当該違反者から命令事項の履行に関する改善計画書を提出させるものとする。
6 消防吏員が第4項の命令を行った場合は、その内容を遅滞なく消防長等に報告しなければならない。
(公示)
第11条 消防長等は、法第5条第1項、法第5条の2第1項、法第5条の3第1項、法第8条第3項及び第4項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、法第8条の2第5項及び第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、第8条の2の5第3項、法第11条の5第1項及び第2項、法第12条第2項、法第12条の2第1項及び第2項、法第12条の3第1項、法第13条の24第1項、法第14条の2第3項、法第16条の3第3項及び第4項、法第16条の6第1項並びに法第17条の4第1項及び第2項の規定に基づく命令を行った場合には、当該命令に係る防火対象物及び製造所等又は当該防火対象物及び製造所等のある場所へ標識(様式第6号)の設置その他別に定める方法により公示を行うものとする。
2 前項の公示は、命令を行った場合には、速やかに行い、当該命令の履行又は解除がなされるまでの間その状態を維持するものとする。
(許可の取消し等の要請)
第13条 消防長は、違反処理基準に定める命令、許可の取消し又は解任命令に相当すると認めるときは、違反処理要請書(様式第10号)に関係書類を添えて管理者に命令許可の取消しを要請しなければならない。
3 前項の命令書又は許可の取消通知書は、消防長を経由して当該違反者に交付するものとする。
(資料提出命令等)
第14条 消防長等は、資料の提出を命ずるときは、資料提出命令書(様式第12号)によりこれを行うものとする。
2 消防長等は、報告を求めるときは、報告徴収書(様式第13号)によりこれを行うものとする。
(告発)
第15条 消防長は、次の各号のいずれかに該当するもので、罰則をもって対応すべきと認める場合に刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)に定めるところにより告発するものとする。
(1) 違反内容が重大なとき。
(2) 第10条の規定による命令に従わないとき。
(3) 違反に起因する火災の発生若しくは拡大又は死傷者が発生したとき。
(4) 告発をもって措置すべき情状が認められるとき。
(告発の手続)
第16条 告発は、当該違反の事件を管轄する警察署長又は検察官に対して行うものとする。
(1) 立入検査結果の通知書(写)
(2) 火災調査関係書類(写)
(3) 警告書、命令書(写)
(4) 図面、写真
(5) その他違反事実及び情状認定に必要な資料
(過料事件の通知)
第17条 消防長は、法第8条の2の3第5項の規定による届出を怠った者を覚知した場合で、過料をもって対応すべきと認めるときに行うものとする。
(手続)
第18条 過料事件の通知は、法第8条の2の3第5項の規定による届出を怠った者の住所地を管轄する地方裁判所に対して行うものとする。
2 過料事件の通知を行うときは、過料事件通知書(様式第15号)に次の資料を添付して行うものとする。
(1) 特例認定防火対象物の管理権原者であったことを証する資料
(2) 特例認定防火対象物の管理権原者に変更があったことを証する資料
(3) 過料に処せられるべき者の住所地を証する資料
(4) 違反時点において特例認定防火対象物であったことを証する資料
2 代執行を行うときは、事前に執行に伴う作業、警戒及び経費等の計画を樹立しなければならない。
3 代執行の戒告、通知及び費用徴収のための文書並びに執行責任者の証票は、次によるものとする。
(1) 戒告書(様式第16号)
(2) 代執行令書(様式第17号)
(3) 代執行費用納付命令書(様式第18号)
(4) 代執行執行責任者証(様式第19号)
4 非常の場合又は危険切迫の場合において、当該行為の急速な実施について緊急の必要があり、第2項に規定する手続をとるいとまがないときは、その手続を経ないで代執行を行うことができる。
(証票の携帯)
第20条 消防吏員が執行責任者として代執行の現場に赴くときは、前条第3項第4号の証票を携帯し、要求があるときは、いつでもこれを提示しなければならない。
(警告書等の交付手続)
第22条 この規程に定める警告書、命令書、認定の取消書、戒告書、代執行令書及び代執行費用納付命令書(以下「警告書等」という。)を発行するときは、原則として、当該関係者に直接交付し、受領書(様式第20号)に署名を求めるものとする。
2 前項の警告書等の受領を拒否した場合、その他必要があるときは、配達証明、内容証明の取扱い等により郵送するものとする。ただし、被送達者の住所不明により郵送できない場合は、千曲坂城消防組合公告式条例(昭和45年千曲坂城消防組合条例第1号)の規定により公示し、送達に代えるものとする。
(関係機関との連携)
第23条 消防長等は、立入検査において指摘した他法令の防火に関する規定の違反については、主管行政庁に連絡し、是正促進を要請するとともに、十分な連絡を図りその改善指導に努めるものとする。
2 消防長等は、他法令違反が存する対象物の違反是正措置等を講じる場合には、関係機関と十分な情報提供及び連絡調整を行うとともに、自ら違反事実の把握に努め、ほかに手段がない場合に、他の関係官公署の事務に支障がないように配慮しつつ、法第35条の13の規定に基づく照会を行うなど、適切な措置を講じるよう相互の連携に努めるものとする。
(協力)
第24条 消防長等は、関係機関からこの規定に係る違反処理についての資料等を求められたときは、必要に応じ協力するものとする。
(違反処理結果の確認等)
第25条 消防長等は、違反処理を行った場合は、事後の改善指導、履行状況の確認等その経過を違反処理台帳(様式第21号)に記録しておかなければならない。
(報告及び通知)
第26条 職員は、違反処理を行った場合は、次により消防長等に報告しなければならない。
(1) 警告、命令(口頭を含む。)、許可又は認定の取消し、告発、過料事件の通知、代執行及び略式の代執行を行ったときは、違反処理報告書(様式第22号)により報告するものとする。
(2) 違反処理が完結したときは、違反処理完結報告書(様式第23号)により報告するものとする。
2 消防長は、特に必要がある場合には、違反処理を行うことができる。次の違反処理を行った場合は、違反処理通知書(様式第24号)により関係署長に通知する。
(1) 警告、命令、許可又は認定の取消し、告発、過料事件の通知、代執行及び略式の代執行を行ったとき。
(2) 前号の違反処理が完結したとき。
(補則)
第27条 この規程の施行に関し必要な事項は、消防長が定める。
附則
1 この訓令は、平成15年10月1日から施行する。
2 千曲坂城消防組合火災予防違反処理要綱(平成15年千曲坂城消防本部訓令第11号)は、廃止する。
附則(平成16年4月1日訓令第1号)
この訓令は、平成16年4月1日から施行する。
附則(平成18年11月21日訓令第10号)
この訓令は、平成18年12月1日から施行し、平成18年10月1日から適用する。
附則(平成28年4月1日訓令第5号)
この規程は、平成28年4月1日から施行する。
附則(令和3年5月1日訓令第3号)
この訓令は、令和3年5月1日から施行する。
別表第1(第5条関係)
違反処理基準(その1)
適用要件 | 一次措置 | 適用要件 | 二次措置 | 適用要件 | 三次措置 | 事例/履行期限等 | |||||||
① 屋外における火災予防に危険な行為等 | 次の行為又は物件で火災の予防に危険であると認めるもの又は消火、避難その他の消防の活動に支障になると認めるもの | 1 火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具(物件に限る。)又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具(物件に限る。)の使用その他これらに類する行為 | 禁止、停止若しくは制限又は消火の準備(法第3条) | 【事例】 (行為の禁止) ○火花を発する行為を、可燃性蒸気(ベーパー)が発生又は滞留している場所(塗装工場、自動車修理工場、ゴム工場等の屋外、新築工事中の建物の敷地内等)で行っているもの (禁止、消火の準備) ○工事現場などで、不燃シート等で建築物の木(造)部分を養生せずに火花を発する行為を行っているもの (たき火の禁止) ○たき火の炎が、木造家屋の壁体等に接し、その部分が炭化しているもの 注 たき火の禁止を命じる「炭化」の判断について ア 炭化部分の剥離、灰化し始めた状態 イ 継続的なたき火による炭化 (行為の禁止、消火の準備) ○危険物又は可燃物の付近で花火をしているもの 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||
2 残火、取灰又は火粉 | 残火、取灰又は火粉の始末(法第3条) | 【事例】 (残火の始末) ○神社の境内において実施したどんど焼き後、後始末が不完全のまま行為者がその場を離れたもの 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||||
3 危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件 | 物件の除去その他の処理(法第3条) | 【事例】 (危険物の除去) ○屋外において、オートバイ(廃車)のタンクからガソリンが漏れべーパーが発生しているもの (物件の除去) ○焼却炉に接して可燃物が大量に放置されているもの ○少量危険物が無届、かつ、条例の基準に適合せず貯蔵されているもの 注 法第3条における「みだりに存置」とは、その物件の所有者、管理者又は占有者にそれをその場所に置いておく意思が現在ともあり、また、その物件について多少の管理もなされていると認められるものの、それを置くことに何ら正当な理由が認められず、ほぼ放置と同様の状態にあることをいう。 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||||
4 放置され、又はみだりに存置された物件 | 物件の整理又は除去(法第3条) | 【事例】 (物件の除去、整理) ○避難器具が設置されている建物において、避難空地から道路等に通ずる避難通路が通行不能となる物件が存置されている場合 ○敷地内の店舗出入口前に置かれた避難上通行不能となる大量の物品の放置 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||||
② 防火対象物における火災予防に危険な行為等(その1) | 防火対象物の位置、構造、設備又は管理について次の状況が認められるもの | 1 火災の予防に危険であると認める場合 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置命令(法第5条) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 (改修命令) ○厨房設備等の燃料配管に老化、劣化又は接続部のゆるみがあり、燃料漏れのおそれがあるもの ○変電室等を区画している壁、柱、床又は天井が可燃材で造られているもの ○配分電盤の開閉器、配線用遮断器、電線、機器等の絶縁不良、漏電又は異常過熱等があるもの ○ネオン管灯設備の高電圧部分が漏電しており、周囲の可燃材に着火危険のあるもの ○厨房設備の排気用ダクトに自動消火装置の設置義務があるが、設置されておらず、かつ、油が滴り落ちているもの (工事の停止又は中止命令) ○塗装工事中(シンナー使用)において溶接作業を行っているもので、法第5条の3に基づく吏員の措置命令に従わないもの 【履行期限】 ・改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 ・工事の停止又は中止は、直ちに行うことを命じる。 | |||||
2 消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修、移転、除去、その他の必要な措置命令(法第5条) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○防火設備が設置されていないもの又は構造不適若しくは機能不良となっているもの ア 竪穴区画に設けられた防火戸、防火シャッター若しくは防火ダンパー等が撤去され又は全く機能を失っているもの イ 機能不良(自火報連動防火戸の連動不良、ドアチェックの取り外し) ウ 鉄製の防火戸を木製等の扉に変更しているもの エ 防火戸をボルト等で固定し閉鎖できないもの ○竪穴区画の壁が撤去され又は破損しているもの ○配管貫通部等の埋め戻しが不完全なもの ○避難施設が設置されていないもの又は構造不適若しくは機能不良となっているもので、避難に重大な支障を来しているもの ア 階段の出入口の防火シャッターが破損変形等により機能不良となっているもの イ 階段室等を他目的に使用するため、改装、その他構造等を変更して構造不適となったもの ウ 階段の改変、破損又は腐食により構造耐力が保持されていないもの エ 階段部分に扉等を設置し施錠することにより当該階段が通行不能となっているもの オ 階段、出入口、廊下、通路等の避難上障害となる工作物が設置されているもの カ 非常用進入口や排煙設備である窓等の開口部が塞がれ使用不能となっているもの 注1 改修を伴わない管理についての措置を命じるものは、「⑤防火管理関係違反」で処理する。 注2 令別表第1(六)項に掲げる防火対象物等、使用停止命令によっては当該対象物の入院患者等に多大な負担を強いるおそれのあるものは、法第5条の除去命令が不履行の場合、使用停止命令でなく代執行を行う。 【履行期限】 改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||||||
3 火災が発生したならば人命に危険であると認める場合 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修、移転、除去、その他の必要な措置命令(法第5条) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○防炎性能を有する防炎対象物品を使用していないもので、火災が発生した場合延焼拡大のおそれがあるもの。ただし、次に示すものについて適用除外とする。 ア スプリンクラー設備により有効に警戒されているもの イ 内装、区画等から判断して延焼拡大危険が少ないと認められるもの 【履行期限】 改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||||||
4 その他火災予防上必要があると認める場合 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修、移転、除去その他の必要な措置命令(法第5条) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | ||||||||
③ 防火対象物における火災予防に危険な行為等(その2) | 1 法第5条等の規定により必要な措置が命ぜられたにもかかわらず、その措置が履行されず、履行されても十分でなく、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあっては、履行されても当該期限までに完了する見込みがないため、引き続き、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防活動に支障になると認める場合又は火災が発生したならば人命に危険であると認める場合 | 使用禁止命令等 (法第5条の2・第1項第1号) | 【適用要件の意義】 事例については、法第5条第1項、第5条の3第1項、第8条第3項、第8条第4項、第8条の2第5項、第8条の2第6項、第8条の2の5第3項、第17条の4第1項の規定の事例欄によるが、これらの規定に基づいて必要な措置が命じられたにもかかわらず、次のa~cの場合で営業活動を継続、火気使用器具等の使用又は工事を継続している場合など火災予防危険、人命危険等が引き続き存する場合に措置する。 a 履行されない 避難障害となる物件の除去を命じたが、何も措置をしていないもの b 履行が十分でない 複数の設備の改修命令に対して履行期限内に全ての設備についての改修が完了していないもの c 履行期限までに完了していない 改修工事、消防用設備の設置工事の工事発注が完了しているが、未だ工事に着手しておらず、履行期限までに工事が完了する見込みがない 【事例】 ○法第5条の3第1項による除去命令の発動後、避難障害となる商品が除去されず、その後も商品を搬入する等により、除去命令時に設定した履行期限内に除去することが不可能で使用停止命令を行わなければ人命危険が排除できない場合 ○法第17条の4第1項による自動火災報知設備設置命令後に、大売出し等の催物を開催していることにより、防火対象物の収容人員が急激に増加し、火災発生を早期に発見しなければ、逃げ遅れによる人命危険が予想される場合 ○法第17条の4第1項による屋内消火栓設備設置維持命令後、履行期限を過ぎても改修されることなく、かつ、消防用設備等点検結果の報告が引き続きなされておらず、当該防火対象物の主要構造部、防火区画若しくは階段の構造が不適切又は機能不良で、火災が発生すれば逃げ遅れによる人命危険が予想される場合 【履行期限】 原則、即時 | ||||||||||
2 法第5条等の規定による命令によっては、火災の予防の危険、消火、避難その他の消防の活動の支障又は火災が発生した場合における人命の危険を除去することができないと認める場合 | 使用禁止命令等 (法第5条の2・第1項第2号) | 【事例】 ○火気使用設備の使用に際して壁体等に炭化が広範囲に発生しており、その出火危険が著しく高いもの(炭化の判断は、木材等の可燃物であれば火、熱により変色しているもの) ○小規模雑居ビルで、次のアからウのいずれかに該当するもの ア 階段内にビニール、プラスチック系の可燃物が大量にあり、上階の防火戸が撤去され、かつ、避難器具が設置されていないもの イ 火気使用場所の存する階の防火戸が撤去され、かつ、当該階より上階で複数の無窓階の防火戸が撤去されているもの ウ 利用者がエレベーターのみで移動する建物で、階段が重量物で塞がれ、かつ、避難器具等が設置されていないもの ○個室型店舗で、次のいずれかに該当するもの ア 非常用進入口や排煙設備である窓等の開口部が塞がれ使用不能となっており、かつ、排煙設備及び非常用照明装置が設置されていないもの イ スプリンクラー設備(スプリンクラー設備の設置義務のないものは自動火災報知設備)が大部分に設置されていないもの又はその機能が失われているもの 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||||
警告 | 警告事項不履行のもの | 使用禁止命令等(法第5条の2・第1項第2号) | 【事例】 ○次に掲げるいずれかの違反又は事実が併存していて消防活動の支障又は人命の危険が大きいもの ア 防火管理業務が適正に行われていないと認められるもの ・厨房設備の燃料配管等に老化、劣化又は接続部のゆるみがあり、燃料もれのおそれがあるもの ・排熱筒が木部に接近しており、継続使用すれば火災が発生するおそれがあるもの ・配分電盤の開閉器、配線用遮断器、電線、機器等の絶縁不良、漏電又は異常過熱等があるもの ・劇場・百貨店等において、大売出し等の催物により混雑が予想されるとき、避難誘導等に対応する係員が適正配置されていないもの ・定員を著しく超過しているにもかかわらず入場制限等の必要な措置を行っていないもの (入場者の滞留により、避難通路から出入口に容易に到達できない場合等) イ 防火対象物全般に設置義務のあるスプリンクラー設備(スプリンクラー設備の設置義務がないものは設置義務のある屋内消火栓設備及び自動火災報知設備)が大部分に設置されていないもの又はその機能を失っているもの ウ 主要構造部の構造が構造不適切なもの、防火区画若しくは避難施設等(廊下、避難階段、出入口、排煙設備、非常用照明装置)が設置されていないもの又はこれらのものが過半にわたり構造不適若しくは機能不良となっているもの 【履行期限】 原則、即時 注1「機能を失っているもの」とは、機能不良の程度が著しく、ほとんど未設置と同様の状態にあるものをいう。 注2「過半にわたり」とは、階ごとの過半又は防火対象物全体での過半をいう。 注3 火気使用設備自体の火災危険により、使用停止命令の措置を行う場合は、火災発生危険を考慮して、当該設備のみを使用停止の対象とする。 | ||||||||||
④ 防火対象物における火災予防に危険な行為等(その3) | 次の行為又は物件で火災の予防に危険であると認めるもの又は消火、避難その他の消防の活動に支障となると認めるもの | 1 火遊び、喫煙、たき火、火を使用する設備若しくは器具(物件に限る。)又はその使用に際し火災の発生のおそれのある設備若しくは器具(物件に限る。)の使用その他これらに類する行為 | 禁止、停止若しくは制限又は消火の準備(法第5条の3) | 一次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 (行為の禁止) ○防火対象物の塗装中(シンナー使用)において喫煙行為をしているもの (物件の使用禁止) ○可燃性ガスが滞留する場所でガスコンロ等を使用しているもの (行為の禁止) ○修繕工事を行うため、少量危険物取扱所等において、火花を発する機器を用いているもの (物件の使用停止) ○ガスコンロの炎が壁体に接し、その部分が炭化しているもの 【履行期限】 原則、即時 | |||||||
2 残火、取灰又は火粉 | 残火、取灰又は火粉の始末(法第5条の3) | 一次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 (残火の始末) ○炭火焼きを行う飲食店で、赤熱部が露出した炭を可燃物の直近に放置しているもの 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||
3 危険物又は放置され、若しくはみだりに存置された燃焼のおそれのある物件 | 物件の除去その他の処理(法第5条の3) | 一次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 (物件の除去) ○防火対象物内において少量危険物が無届、かつ、条例の基準に適合せず貯蔵されているもの ○階段室、廊下、通路等避難施設内を倉庫又はクローゼット代わりに使用し、下記の物件のいずれかが存置されているもの ・ガソリン、シンナー、火薬類等の危険物品 ・大量な化繊の衣装 ・ボンベが装填された状態で大量の携帯コンロ又は大量のボンべ本体 ・古新聞、ダンボール、ビールケース等の大量の可燃物 ○使用中の火気使用設備の上方の棚にボンベが装填された状態の携帯コンロが存置されているもの 注1 事例に該当しないが繰り返し違反等管理上不備があるものは、「⑤ 防火管理関係違反」において処理する。(「備考 違反処理基準の運用 5」参照) 注2 法第5条の3における「みだりに存置」とは、その物件を置くことが法令に違反している状態、又はその物件を置くことに正当な理由(荷物の搬出入、工事中又は作業中等であって、その作業等に関係ある者がその場におり、その者により直ちに移動、除去等が行える等)があると認められない状態にあることをいう。 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||
4 放置され、又はみだりに存置された物件(上記3の物件を除く) | 物件の整理又は除去(法第5条の3) | 一次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 (物件の整理、除去) ○物件が存置されていることにより、一人でさえ通行することが困難なもの ○上記のほか、消火、避難その他の消防活動に支障となるもの ・防火戸の閉鎖障害となる物件存置 ・特別避難階段附室、非常用エレベータ附室の消防活動の障害となる物件存置 ・非常用進入口の障害となる物件存置 ・屋内消火栓設備の使用障害となる物件存置 注 事例に該当しないが繰り返し違反等管理上不備があるものは、「⑤ 防火管理関係違反」において処理する。(「備考 違反処理基準の運用 5」参照) 【履行期限】 原則、即時 | |||||||||
⑤ 防火管理関係違反(法第八条第一項違反) | 1 防火管理者未選任 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 選任命令(法第8条第3項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 注1 防火管理者として届出されていないが、選任され実質的に防火管理業務が行われていることが明らかな場合は、適用要件に該当しないものとみなし指導を継続することができる。 注2 防火管理者再講習の課程を修了しなければならない期間において、既に防火管理者として選任されている者が、再講習の課程を修了していない場合は、防火管理者未選任の状態となるため、速やかに再講習を受講させ、防火管理者として再度選任し、又は別に甲種防火管理者の資格を有する者を防火管理者として選任し、消防長又は消防署長に届出させる必要がある。 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とするが、防火管理者講習及び防火管理者再講習を考慮しなければならない場合は、直近の講習日を考慮した期限とする。 | ||||||
2 防火管理業務不適正 | 消防計画未作成 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 作成命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【履行期限】 2週間以内 (防火管理者未選任と併存する場合には、防火管理者未選任の履行期限に2週間を加えた期間以内とする。) | ||||||
消防計画が不適正なもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○自衛消防隊の編成等計画の内容が実態と著しく異なるもの 【履行期限】 2週間以内 (防火管理者未選任と併存する場合には、防火管理者未選任の履行期限に1週間を加えた期間以内とする。) | |||||||
消火、通報及び避難訓練未実施 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○消火・避難訓練を1年以上実施していないもの 【履行期限】 1箇月以内(規模、用途に応じて設定する。) | |||||||
消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検、整備未実施等 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 注 ベル停止、電源遮断、操作障害等の維持管理が不適正なもので、違反を指摘したにもかかわらず関係者が即是正の意思を示さないもの又は是正してもすぐに繰り返し違反を行うものなど悪質なものは一次措置の適用要件とする。 【事例】 ○消防計画に定める消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び整備が未実施のもの。 注1 点検により重大な機能不良箇所が指摘され、報告時までに是正されていない場合は、「⑧消防用設備等に関する基準違反」により処理する。 注2 自動火災報知設備、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備又は2種類以上の設備の点検未実施がある場合は、二次措置を行う。 【履行期限】 点検及び整備未実施については、点検及び整備内容により期限を設定する。 | |||||||
火気の使用又は取扱いに関する監督不適正 | 火気使用器具、電気器具等の管理 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○火気使用器具等の周囲の可燃材からの距離が基準値未満のもの ○天蓋に設けられているグリスフィルターから油が滴り落ちているもの 注 消防法令違反の有無を問わず、適法な防火対象物に対しても、可燃材の炭化等が認められる場合は、③(法第5条の2)の措置による。 【履行期限】 1箇月以内 | ||||||
指定場所における喫煙等の制限 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○劇場等その他消防長(消防署長)が指定する場所で、解除承認を受けずに、又は解除承認後に承認内容に違反して裸火等の使用、若しくは危険物品の持込みを行っているもの 注 使用禁止命令を行う場合は、解除承認を撤回してから措置する。 【履行期限】 原則、即時 | |||||||
避難又は防火上必要な構造及び設備の管理不適正 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 防火設備、避難施設の維持管理に係る基準違反に該当するもの ○竪穴区画に設けられた防火戸、防火シャッターに何らかの処置(くさび等)をし、閉鎖できなくしているもの ○階段、出入口、廊下、通路に物件が存置されているもの ○出入口の内外に近接して椅子、テーブル等の物件が存置されているもの 注1 火災の予防に危険又は避難障害となっているもので、改修を要するものは、「②防火対象物における火災予防危険行為(その1)」により処理する。 注2 再三の繰り返し違反等がある場合は、二次措置を行う。(「備考 違反処理基準の運用 5」参照) 【履行期限】 2週間以内 | |||||||
劇場等の定員管理不適正 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条第4項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【事例】 ○劇場、百貨店等において、定員を超えて入場させ入場制限等の必要な措置をとっていないもの。又は、可動椅子により興業等を行う場合において避難通路が有効に確保されていないもの。なお、発災時における初動措置を行い得る体制をとっていないもので他に違反が存する場合は、「③防火対象物における火災予防危険行為等(その2)」により処理する。 【履行期限】 原則、即時 | |||||||
⑥ 統括防火管理関係違反(法第八条の二) | 1 統括防火管理者未選任 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 選任命令(法第8条の2第5項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置(法第5条の2) | 注 統括防火管理者として届出されていないが、選任され実質的に防火管理業務が行われていることが明らかな場合は、適用要件に該当しないものとみなし指導を継続することができる。 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 | ||||||
2 統括防火管理業務不適正 | 全体についての消防計画未作成 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 作成命令(法第8条の2第6項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置(法第5条の2) | 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 (統括防火管理者未選任と併存する場合には、統括防火管理者未選任の履行期限に2週間から1箇月程度を加えた期間以内とする。) | ||||||
全体についての消防計画が不適正なもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条の2第6項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置(法第5条の2) | 【事例】 全体についての消防計画の内容が実態と著しく異なるもの 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 (統括防火管理者未選任と併存する場合には、統括防火管理者未選任の履行期限に2週間から1箇月程度を加えた期間以内とする。) | |||||||
避難又は防火上必要な構造及び設備の管理不適正 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第8条の2第6項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置(法第5条の2) | 【事例】 共用部分の防火設備、避難施設の維持管理に係る基準違反に該当するもの ○竪穴区画に設けられた防火戸、防火シャッターに何らかの処置(くさび等)をし、閉鎖できなくしているもの ○階段、出入口、廊下、通路に物件が存置されているもの ○出入口の内外に近接して椅子、テーブル等の物件が存置されているもの 注1 火災の予防に危険又は避難障害となっているもので、改修を要するものは、「②防火対象物における火災予防危険行為(その1)」により処理する。 注2 再三の繰り返し違反等がある場合は、二次措置を行う。(「備考 違反処理基準の運用 5」参照) 【履行期限】 2週間以内 | |||||||
⑦ 防火対象物点検報告(法第八条の二のニ及び法第八条の二の三) | 防火対象物点検報告未実施での表示又は紛らわしい表示をしたもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第8条の2の2第4項) | 【事例】 ○点検基準に適合せずに適合する旨の表示をしているもの 【履行期限】 原則、即時 | ||||||||||
防火対象物点検の特例認定を受けていないにも関わらず、法第8条の2の3第7項の表示がされている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示がされているもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第8条の2の3第8項) | 【適用要件の意義】 ① 防火対象物点検報告義務対象物であるもの ② 防火対象物点検の特例認定を受けていないにもかかわらず、法第8条の2の3第7項の表示がされている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示がされているもの 【履行期限】 なし | |||||||||||
1 偽りその他不正な手段により当該認定を受けたことが判明したもの | 法第8条の2の3第1項による認定の取消し(法第8条の2の3第6項) | 【適用要件の意義】 形式的に適用要件に該当すれば、直ちに処理する。 【履行期限】 なし | |||||||||||
2 法第5条第1項、第5条の2第1項、第5条の3第1項、第8条第3項若しくは第4項、第8条の2第5項若しくは第6項、第8条の2の5第3項又は第17条の4第1項若しくは第2項の規定の命令がされたもの | 法第8条の2の3第1項による認定の取消し(法第8条の2の3第6項) | 【適用要件の意義】 形式的に適用要件に該当すれば、直ちに処理する。 【履行期限】 なし | |||||||||||
3 法第8条の2の3第1項第3号に該当しなくなったもの | |||||||||||||
⑧ 自衛消防組織の設置に関する違反(法第八条の二の五) | 自衛消防組織が未設置であるもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 措置命令(法第8条の2の5第3項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置(法第5条の2) | 注1 自衛消防組織として届出されていないが、設置され実質的に自衛消防組織として必要な活動を行うことができると認められる場合は、適用要件に該当しないものとみなし指導を継続することができる。 注2 自衛消防業務再講習の課程を修了しなければならない期間において、既に自衛消防組織の統括管理者として置かれ届出されている者が、再講習の課程を修了していない場合は、自衛消防組織の設置基準に従って設置されていない状態となるため、速やかに再講習を受講させ、又は別に自衛消防組織の統括管理者の資格を有する者を統括管理者として置いて自衛消防組織変更届出書を消防長又は消防署長に届出させる必要がある。 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とするが、自衛消防業務新規講習及び再講習を考慮しなければならない場合は、直近の講習日を考慮した期限とする。 | ||||||
⑨ 消防用設備等又は特殊消防用設備等に関する基準違反(法第十七条第一項又は第三項) | 消防用設備等又は特殊消防用設備等が未設置又は維持管理が不適正のもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 設置命令、改修命令又は維持命令(法第17条の4第1項又は第2項) | 二次措置が不履行で、かつ、③の適用要件に該当する場合 | ③の一次措置による(法第5条の2) | 【措置対象】 ○技術基準に従って設置されていないと認めるもの ア 全体に未設置 イ 一部未設置のうち、階又は対象物の過半にわたるもの ○技術基準に従って維持されていないと認めるもの ア 自動火災報知設備の受信機が作動しないもの イ 自動火災報知設備の感知器回路の断線等により防火対象物又は部分の全体にわたり未警戒となっている場合 ウ 一の階の全ての避難器具が使用不能の場合 エ 非常電源が設置されていないもの 注1 ベル停止、電源遮断等改修を伴わない維持管理違反については、二次措置として法第8条第4項による防火管理業務適正執行命令を発する。 注2 法第17条第2項の基準に違反し消防用設備等が設置・維持されていない場合も措置命令の対象となる。 【履行期限】 工事内容に応じて設定する。なお、工事日数については次を参考にする。 1 自動火災報知設備の設置工事における着工届から設置届までの日数調査の結果 全部未設置違反のうち設備を設置して改修されたもの100件について、着工届出から設置届け出までの日数を調査した結果は次のとおりであった。 ・延べ面積500m2未満の対象物では、94%が2箇月以内 ・延べ面積500m2以上1,000m2未満の対象物では、87%が3箇月以内 ・延べ面積1,000m2以上の対象物では、95%が4箇月以内 2 業者が試算した工事日数例 (例1) RC造、地上3階地下1階、延べ面積500m2の既存雑居ビル(飲食店、カラオケ店)に消防用設備等を新規に設置する場合 (例2) RC造、地上5階地下1階、延べ面積1,000m2の既存雑居ビル(飲食店、カラオケ店)に消防用設備等を新規に設置する場合 (例3) RC造、地上10階地下1階、延べ面積3,000m2の既存雑居ビル(飲食店、カラオケ店)に消防用設備等を新規に設置する場合 | ||||||
見積り日数 | 着工届から設置届までの日数 | ||||||||||||
屋内消火栓 (例1) | 30日 | 2箇月 | |||||||||||
屋内消火栓 (例2) | 30日 | 3箇月 | |||||||||||
屋内消火栓 (例3) | 40日 | 4箇月 | |||||||||||
スプリンクラー (例1) | 30日 | 4箇月 | |||||||||||
スプリンクラー (例2) | 30日 | 5箇月 | |||||||||||
スプリンクラー (例3) | 40日 | 8箇月 | |||||||||||
自動火災報知設備 (例1) | 30日 | 2箇月 | |||||||||||
自動火災報知設備 (例2) | 30日 | 3箇月 | |||||||||||
自動火災報知設備 (例3) | 40日 | 5箇月 | |||||||||||
(例4) 耐火造、地上3階地下1階、建築面積約650m2、延べ面積1,800m2の既存遊技場ビル(パチンコ、カラオケ)全館に屋内消火栓設備を新規に設置する工事についての工事日は100日 | |||||||||||||
⑩ 防災管理関係違反(法第三十六条第一項において準用する法八条第一項) | 防災管理者未選任 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 選任命令(法第36条第1項において準用する法第8条第3項) | 注1 防災管理者として届出されていないが、選任され実質的に防災管理業務が行われていることが明らかな場合は、適用要件に該当しないものとみなし指導を継続することができる。 注2 甲種防火管理再講習又は防災管理再講習の課程を修了しなければならない期間において、既に防災管理者として選任されている者が、再講習の課程を修了していない場合は、防災管理者未選任の状態となるため、速やかに再講習を受講させ、防災管理者として再度選任し、又は別に防災管理者の資格を有する者を防災管理者として選任し、消防長又は消防署長に届出させる必要がある。 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とするが、防災管理講習、防災管理再講習、甲種防火管理再講習を考慮しなければならない場合は、直近の講習日を考慮した期限とする。 | ||||||||
2 防災管理業務不適正 | 防災管理に係る消防計画未作成 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 作成命令(法第36条第1項において準用する法第8条第4項) | 【履行期限】 2週間以内(防災管理者未選任と併存する場合には、防災管理者未選任の履行期限に2週間を加えた期間以内とする。) | ||||||||
防災管理に係る消防計画が不適正なもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第36条第1項において準用する法第8条第4項) | 【事例】 ○防災管理上必要な教育等計画の内容が事態と著しく異なるもの 【履行期限】 2週間以内(防災管理者未選任と併存する場合には、防災管理者未選任の履行期限に1週間を加えた期間以内とする。) | |||||||||
避難訓練未実施 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第36条第1項において準用する法第8条第4項) | 【事例】 ○避難訓練を1年以上実施していないもの 【履行期限】 1箇月以内(規模、用途に応じて設定する。) | |||||||||
⑪ 統括防災管理関係(法第三十六条第一項において準用する法第八条の二) | 1 統括防災管理者未選任 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 選任命令(法第36条第1項において準用する法第8条の2第5項) | 注 統括防災管理者として届出されていないが、選任され実質的に防災管理業務が行われていることが明らかな場合は、適用要件に該当しないものとみなし指導を継続することができる。 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 | ||||||||
2 統括防災管理業務不適正 | 防災管理に係る全体についての消防計画未作成 | 警告 | 警告事項不履行のもの | 作成命令(法第36条第1項において準用する法第8条の2第6項) | 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 (統括防災管理者未選任と併存する場合には、統括防災管理者未選任の履行期限に2週間から1箇月程度を加えた期間以内とする。) | ||||||||
防災管理に係る全体についての消防計画が不適正なもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 適正執行命令(法第36条第1項において準用する法第8条の2第6項) | 【事例】 ○防災管理に係る全体についての消防計画の内容が実態と著しく異なるもの 【履行期限】 2週間から1箇月程度を目安とする。 (統括防災管理者未選任と併存する場合には、統括防災管理者未選任の履行期限に2週間から1箇月程度を加えた期間以内とする。) | |||||||||
⑫ 防災管理点検報告(法第三十六条第一項において準用する法第八条の二の二及び法第八条の二の三) | 防災管理点検報告未実施での表示又は紛らわしい表示をしたもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第36条第1項において準用する法第8条の2の2第4項) | 【事例】 ○点検基準に適合せずに適合する旨の表示をしているもの 【履行期限】 原則、即時 | ||||||||||
1 偽りその他不正な手段により当該認定を受けたことが判明したもの | 法第36条第1項において準用する法8条の2の3第1項による認定の取消し(法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第6項) | 【適用要件の意義】 ○形式的に適用要件に該当すれば、直ちに処理する。 【履行期限】 なし | |||||||||||
2 法第5条第1項、第5条の2第1項、第5条の3第1項、第8条第3項若しくは第4項、第8条の2第5項若しくは第6項、第8条の2の5第3項、第17条の4第1項若しくは第2項又は第36条第1項において準用する第8条第3項若しくは第4項、第8条の2第5項若しくは第6項の規定による命令がされたもの | |||||||||||||
3 法第36条第1項において準用する法第8条の2の3第1項第3号に該当しなくなったもの | |||||||||||||
防災管理点検の特例認定を受けていないにもかかわらず、防災管理点検の特例認定の表示がされている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示がされているもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第36条第6項において準用する法第8条の2の2第4項) | 【適用要件の意義】 ① 防災管理対象物であるもの ② 防災管理点検資格者により点検対象事項が点検基準に適合していると認められていないにもかかわらず、法第36条第1項において準用する法第8条の2の2第2項の表示がされている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示がされているもの 【履行期限】 なし | |||||||||||
⑬ 防災管理点検報告(法第三十六条第五項において準用する法第八条の二の二) | 1 防火対象物点検報告及び防災管理点検報告のうち、いずれか一方又はともに点検基準を満たしていないにも関わらず、法第36条第3項の表示が付されている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示が付されているもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第36条第6項において準用する法第8条の2の2第4項) | 【適用要件の意義】 ① 防火対象物点検報告及び防災管理点検報告の義務対象物であもの ② 防火対象物点検報告及び防災管理点検報告のうち、いずれか一方又はともに点検基準を満たしていないにも関わらず、法第36条第3項の表示が付されている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示が付されているもの 【履行期限】 なし | ||||||||||
2 防火対象物点検又は防災管理点検の特例認定のうち、いずれか一方又はともに認定を受けていないにも関わらず、法第36条第4項の表示が付されている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示が付されているもの | 表示の除去又は消印を付すことの命令(法第36条第6項において準用する法第8条の2の2第4項) | 【適用要件の意義】 ① 防火対象物点検報告及び防災管理点検報告の義務対象物であることもの ② 法第8条の2の3第1項又は法第36条第1項において準用する第8条の2の3第1項の特例認定のうち、いずれか一方又はともに認定を受けていないにも関わらず、法第36条第4項の表示が付されている、あるいは、当該表示と紛らわしい表示が付されているもの 【履行期限】 なし |
備考 違反処理基準の運用
1 ①から④は、措置命令ごとに、⑤から⑬は、技術的基準に違反しているもので措置命令を発する場合を取り上げている。
2 「事例」欄は、違反処理すべき事案の基準となる事案として代表的な事例を示す。
3 履行期限が到来したものは、速やかに次の段階の措置へ移行する。
4 事象ごとに措置命令に係る規定の趣旨に照らして適切な措置を選択する必要があり、次の例を参考にして処理する。
(1) 階段の管理
【ケース1】防火戸の維持管理不備
○防火戸をくさびで閉鎖できなくしているもの
防火管理業務適正執行命令(参照基準⑤・2 法第8条4項)
【ケース2】階段での避難に支障となる物件の存置+通行可能
○階段の出入口に近接して椅子、テーブル等の物件が存置され通行可能なもの
防火管理業務適正執行命令(参照基準⑤・2 法第8条4項)
【ケース3】階段での避難に支障となる物件の存置+通行不可
○階段に物件が存置されていることにより、一人でさえ通行することが困難なもの
物件の除去命令(参照基準④・4 法第5条の3)
【ケース4】階段での延焼媒体となる可燃物の存置
○階段室を倉庫代わりに使用し、古新聞、ダンボール、ビールケース等の大量の可燃物が存置されているもの
物件の除去命令(参照基準④・3 法第5条の3)
【ケース5】階段での延焼媒体となる可燃物の存置+竪穴区画の防火戸撤去+避難器具未設置
○小規模雑居ビルで階段内にビニール、プラスチック系の可燃物が大量にあり上階の防火戸が撤去され、かつ、避難器具が設置されていないもの
使用禁止命令等(参照基準③・2 法第5条の2)
(2) 火を使用する設備、器具等の管理
【ケース1】条例の基準不適(管理)
○火気使用器具等の周囲の可燃材からの距離が基準値未満のもの
防火管理業務適正執行命令(参照基準⑤・2 法第8条4項)
【ケース2】条例の基準不適(構造)
○厨房設備等の燃料配管に老化、劣化又は接続部のゆるみがあり、燃料漏れのおそれがあるもの
改修命令(参照基準②・1 法第5条)
【ケース3】火気設備等の使用に際し、火災の予防に危険であると認めるもの
○可燃性ガスが滞留する場所でガスコンロ等を使用しているもの
使用の禁止(参照基準④・1 法第5条の3)
【ケース4】炭化が発生しているもの
○火気使用設備の炎が壁体に接し、その部分が炭化しているもの
使用の停止(参照基準④・1 法第5条の3)
○火気使用設備の使用に際して壁体等に炭化が広範囲に発生しており、その出火危険が著しく高いもの
火気設備使用停止命令(参照基準③・2 法第5条の2)
(3) 消防用設備等の維持管理
【ケース1】点検未実施
○自動火災報知設備、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備又は2種類以上の消防計画に定める消防用設備又は特殊消防用設備の点検が実施されていないもの
防火管理業務適正執行命令(参照基準⑤・2 法第8条4項)
【ケース2】未設置
○自動火災報知設備が階の全般に未設置のもの
消防用設備等の設置命令(参照基準⑧ 法第17条の4第1項)
【ケース3】消防用設備等が未設置であり他の法令違反が併存するもの
○階段が複数ある防火対象物の一の階段において、自動火災報知設備が未設置(未警戒)であり、一部防火戸が撤去されているもの
防火戸の改修命令及び消防用設備等の設置命令(参照基準②・2及び⑧ 法第5条及び法第17条の4)
【ケース4】消防用設備等が未設置であり他の法令違反が併存するもの
○百貨店において、自動火災報知設備が機能不良により大部分が未警戒となっており、階段の区画が全く機能しておらず、かつ、著しく定員を超えているもの
使用禁止命令等(参照基準③・2 法第5条の2)
(4) その他
【ケース1】開口部の閉塞+排煙設備・非常用照明装置の未設置
○個室型店舗等で改装等により開口部が塞がれ、排煙設備及び非常用の照明装置が設置されていないもの
5 再三の繰り返し違反等、適切な防火管理業務が継続して行われないものに対しては、管理権原者に対し、防火管理業務が法令の規定及び消防計画に従って行われるように必要な措置を講ずべきものとして法第8条第4項による防火管理業務適正執行命令等を次の例により措置するものとする。
(1) 防火管理業務適正執行命令の具体的内容(例)
①繰り返し違反の原因の究明 管理権原者の立場から、繰り返し違反が行われる原因を検証するもの。 |
②再発防止のための消防計画の見直し又は改善計画書の提出 管理権原者が繰り返し違反の原因を検証した結果を踏まえ、防火管理者に内容を見直した消防計画の作成を行わせるとともに、これを提出させ、又は、管理権原者により改善計画書を作成し、これを提出するもの。 例えば、社内管理体制の構築、日常点検におけるチェックリストの活用などチェック体制の見直し、その他の必要な措置 |
③従業員に対する防火管理教育の実施その他の必要な措置 防火管理者に、従業員に対する防火管理意識の徹底等を図るための教育を実施させるもの、その他消防訓練の実施等必要な措置を講じさせるもの。 |
④見直した消防計画等の確実な実施 見直した消防計画又は改善計画書に基づく適正な消防計画の確実な実施について防火管理者に行わせるもの、その他管理権原者において防火管理者に対する適切な指示・指導を行い監督するもの。 |
(2) 法第4条による報告徴収
(1)の防火管理業務適正執行命令とあわせて、法第4条第1項による報告徴収を活用して、見直した消防計画又は改善計画書に従った防火管理業務の実施状況について報告を求める。
[報告徴収を求める内容] 見直した消防計画又は改善計画書に従った防火管理業務の実施状況について、見直した消防計画等の提出後、一定期間、定期的に報告させることとする。 この場合、報告を求める期間は、事案に応じて、例えば6か月間又は1年間など必要な期間、また、報告を求める時期は、例えば1か月毎又は四半期ごとなど合理的な期間を設定するものとする。 なお、防火管理業務の実施状況の報告を求める方法は、事例に応じ、行政指導により対応する場合もあるものとする。 |
(3) 立入検査による履行確認
(1)の防火管理業務適正執行命令の履行として、見直した消防計画等の提出や従業員に対する防火管理教育の実施その他の必要な措置等の報告があった場合には、立入検査を実施し、命令の履行状況の確認を行うものとする。
また、報告徴収を求めている期間については、防火管理業務の適正執行状況を確認するため、必要に応じ、適宜無通告等による立入検査を効果的に行うものとする。
違反処理基準(その2)
違反項目等 | 一次措置 | 二次措置 | 三次措置 | 事例、履行期限等 | |||||
適用要件 | 措置内容 | 適用要件 | 措置内容 | 適用要件 | 措置内容 | ||||
1 | 危険物の無許可貯蔵又は取扱い(法第10条第1項) | 危険物の無許可貯蔵又は取扱いに関する違反のうち、次のいずれかに該当するもの 1 製造所等以外の場所で、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているもの 2 製造所等において、当該貯蔵又は取扱いの態様を逸脱して、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているもの | 除去命令又は禁止命令(法第16条の6) | 1 本欄は製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場所の全てを対象とする。 2 製造所等において当該貯蔵、又は取扱いの態様を逸脱して指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているものの例として、次のような場合がある。 (1) 屋内貯蔵所の保有空地に指定数量以上の危険物を貯蔵しているもの (2) 給油取扱所の敷地内に危険物をドラム缶で指定数量以上貯蔵しているもの 【履行期限】 ・原則、即時 | |||||
製造所等以外の場所で油圧装置、潤滑油循環装置等において、引火点が100℃以上の第4類の危険物のみを指定数量以上貯蔵し、又は取り扱っているのもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 除去命(法第16条の6) | 本欄は、実態の危険物を考慮し警告により適切な行政指導を行った後、なお是正されない場合は、速やかに第二次措置に移行する。【履行期限】 ・原則、即時 | |||||
2 | 製造所等における危険物の貯蔵又は取扱いに関する基準違反(法第10条第3項) | 製造所等における危険物の貯蔵又は取扱いについて、法第10条第3項の基準に違反しているもので、漏えい、飛散等により災害拡大危険が著しく大きいもの | 基準遵守命令(法第11条の5第1項、第2項) | 基準遵守命令不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第1号) | 1 本欄に該当する事例としては次のような場合がある。 (1) 移動タンク貯蔵所に係るもので次に示すもの ア 特殊引火物、第一石油類及び第二石油類を移送又は取り扱っているもので、漏れ、あふれ、飛散等があるもの イ 令第27条第6項第4号の規定に違反して危険物を取り扱っているもの (2) 放電加工機を使用している一般取扱所において、放電加工油槽内の油量不足により放電の際、油が飛散しているもの、又は火災が発生するおそれが大きい等のもの 【履行期限】 ・改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||
製造所等における危険物の貯蔵又は取扱いについて、法第10条第3項の基準に違反しているもので、漏えい、溢れ、飛散等があるもの又はそのおそれがあるもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 基準遵守命令(法第11条の5第1項・第2項) | 基準遵守命令不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第1号) | 1 第三次措置は基準遵守命令不履行のもので、火災等の災害発生危険が大きいもの 2 本欄は、災害発生危険のある基準違反を対象とするものであり、軽微な基準違反については必ずしも対象としない。ただし、軽微な基準違反が繰り返し行われているような場合には、本項に該当するものとして取り扱って支障ない。 | |||
法第11条第1項の規定による許可若しくは法第11条の4第1項の規定による届出に係る数量を超える危険物又はこれらの許可若しくは届出に係る品名以外の危険物を貯蔵し、又は取り扱っているもので、当該貯蔵又は取扱いにより製造所等の位置、構造又は設備の変更許可を要するもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 除去命令(法第11条の5第1項・第2項) | 除去命令不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第1号) | 3 本欄の「許可品名以外の貯蔵等」の違反については、当該違反によって適用される技術上の基準が異なる場合を対象とし、単に手続上の違反については、本項に基づく措置は行わず、当該変更に係る届出をさせることとしてさしつかえない。 【履行期限】 ・改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||
3 | 製造所等の位置、構造又は設備の無許可変更(法第11条第1項) | 製造所等の位置、構造又は設備を無許可で変更しているもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第1項第1号) | 使用停止命令不履行のもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第1号) | 1 法第11条第1項違反に対しては、法的に法第12条の2第1項の使用停止命令又は許可の取消しのいずれかを選択して発動することが可能であるが、運用上、許可の取消しはこれ以外に火災等の災害の発生や拡大を防止する手段がないと認められる場合に行うことを原則とする。 【履行期限】 ・変更許可手続、改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |
4 | 製造所等の完成検査前使用(法第11条第5項) | 設置許可又は変更許可に係る完成検査合格前に使用しているもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第1項第2号) | 使用停止命令不履行のもので、法第10条第4項の基準に適合していないもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第2号) | 1 本欄については、違反内容に係る危険性に着目して、法第10条第4項の基準に適合しないもの又は災害等の発生危険若しくは拡大危険があるものを重点として運用する。 2 仮使用承認を受けているもので、使用停止命令を行う場合は仮使用承認を撤回してから措置する。 【履行期限】 ・原則、即時 | |
5 | 製造所等の位置、構造又は設備に関する基準違反(法第12条第1項) | 法第10条第4項の基準に適合しないもので、火災等の災害発生危険が著しく大きなもの | 基準適合命令(法第12条第2項) | 基準適合命令不履行 | 使用停止命令(法第12条の2第1項第3号) | 使用停止命令不履行のもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第3号) | 1 本欄は、法第10条第4項の基準に不適合であり、火災等の災害発生危険が著しく大きい場合を対象とする。 該当する事例としては、次のような場合がある。 (1) 配管に亀裂を生じ、現に危険物の漏えいが認められるもの (2) 配管等の腐食が著しく、危険物の漏えいが切迫している (3) 屋外の貯蔵タンクの架台が著しく腐食し又は変形しており、目前に転倒落下危険が認められるもの 2 過去に第二次措置を行った施設については、使用停止命令と同時に許可の取消しを検討する。 【履行期限】 ・原則、即時 | |
法第10条第4項の基準に適合しないもの(上欄の場合を除く。) | 警告 | 警告事項不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第1項第3号) | 使用停止命令不履行のもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第3号) | 1 本欄は、法第10条第4項の基準に不適合となったもので、違反内容が災害発生につながるおそれのある場合を対象とする。該当する事例としては、次のような場合がある。 (1) 防油堤に亀裂や破損があり、危険物が漏えいした場合、防油堤の外に流出するおそれがあるもの (2) 危険物施設内の電気設備が損傷し、火花を発生するおそれがあるもの 【履行期限】 ・改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||
6 | 製造所等の緊急使用停止等(法第12条の3) | 製造所等又はその近隣において、火災、爆発等の事故が発生したことにより、当該製造所等の使用が災害発生上極めて危険な状態であると認められるもの | 使用停止命令又は使用制限命令(法第12条の3第1項) | 1 本欄は、製造所等又はその周囲の状況が公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要がある場合に発動されるものであり、危険な状態となった原因が製造所等にあるか否かを問わない。 【履行期限】 ・原則、即時 | |||||
7 | 製造所等における危険物保安監督者の未選任等(法第13条第1項・第3項) | 危険物保安監督者を選任していないもの又は危険物保安監督者を選任しているが必要な保安監督業務が行われていないもの | 警告 | 警告事項不履行のもので、当該違反状態が長期間継続するなど内容が悪質なもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第3号) | 1 危険物保安監督者の未選任について、資格者がいないため選任できない場合であると、資格者がいながら選任していない場合であるとを問わない。 2 保安監督業務不履行とは、危険物保安監督者を選任しているが、職制上の事由等から必要な監督業務が行い得ないもので、所有者、管理者又は占有者にその責を帰するのが相当の場合である。 【履行期限】 ・危険物施設における各権原ごとの危険物保安監督者の選任、指導状況を踏まえて、期限を設定する。 | |||
危険物取扱者の立会いなしに無資格者による危険物の取扱いが行われているもの | 警告 | 1 無資格者による危険物の取扱いの繰り返しなど違反内容が悪質な場合、告発により対処することも考えられる。 【履行期限】 ・危険物施設における危険物取扱者の選任を踏まえて、期限を設定する。 | |||||||
8 | 危険物保安監督者の法令違反等 | 危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者が法律又は法律に基づく命令の規定に違反したことにより免状返納命令を受けたもの | 解任命令(法第13条の24) | 解任命令不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第4号) | 1 本欄における解任命令不履行の場合の使用停止命令は、災害等の発生危険があるもの又は災害が発生した場合、延焼拡大危険があるものを重点として運用する。 2 危険物保安統括管理者等に保安業務を引き続き行わせることが、公共の安全の維持又は災害発生防止上支障がある場合の例として、次のような場合がある。 | |||
危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者に保安業務を引き続き行わせることが、公共の安全の維持又は災害発生防止上支障があるもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 解任命令(法第13条の24) | 解任命令不履行のもの | 使用停止命令(法第12条の2第2項第4号 | (1) 保安監督業務を同時に履行し得ない2以上の施設で同一人が危険物保安監督者に選任されている場合 (2) 職制等の事情から保安監督業務を行い得ない場合 (3) 旅行、疾病その他の事由により、長時間その職務を行うことができない者 (4) 遵法精神が著しく欠如している場合 (5) 保安業務の不履行により災害を発生させた場合 また、危険物保安統括管理者等が保安統括管理者等業務を行わない事情が、関係者側にあるか、当該危険物保安統括管理者等にあるかを問わず、現実に保安業務を行っていないことにより支障があれば、本件に該当する。 【履行期限】 ・危険物施設における各権原ごとの危険物保安監督者の選任、指導状況を踏まえて、期限を設定する。 | |||
9 | 予防規程未作成等(法第14条の2) | 予防規程を作成していないもの | 警告 | 1 予防規程未作成の状態が長期間継続するなど違反内容が悪質な場合、告発により対処することも考えられる。 【履行期限】 ・危険物施設における予防規程の作成、指導状況を踏まえて、期限を設定する。 | |||||
予防規程を定めているが、内容的に火災予防上適当でないもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 変更命令(法第14条の2第3項) | 1 本欄に該当する事例としては、予防規程の内容が法第16条の3に適合していない場合、認可された予防規程がその後の製造所等の状況に合わせて適切に変更されていない場合がある。 【履行期限】 ・予防規程の内容、指導状況を踏まえて、期限を設定する。 | |||||
10 | 特定屋外タンク貯蔵所等の保安検査未実施(法第14条の3第1項、第2項) | 特定屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所に関する保安検査を受けていないもの | 警告 | 法第10条第4項の基準に適合していないもので、火災等の災害危険があるもの | 使用停止命令(法第12条の2第1項第4号) | 使用停止命令不履行のもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第4号) | 1 許可の取消しについては、危険物施設違反処理マニュアル参照。 【履行期限】 ・保安検査、改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |
11 | 製造所等の定期点検未実施等(法第14条の3の2) | 定期点検を未実施のもの | 警告 | 警告事項不履行のもののうち、法10条第4項の基準に違反し、火災等の災害危険があるもの | 使用停止命令(法第12条の2第1項第5号) | 使用停止命令不履行のもの | 許可の取消し(法第12条の2第1項第5号) | 1 許可の取消しについては、危険物施設違反処理マニュアル参照。 | |
点検記録を作成せず、虚偽の点検記録を作成し、又は点検記録を保存しなかったもの | 警告 | 1 二次措置として、法第16条の5第1項に基づく報告徴収を行うことが適当なケースも存する。また、違反内容が悪質な場合、告発により対処することも考えられる。 【履行期限】 ・原則、即時 | |||||||
12 | 危険物の運搬に関する基準違反(法第16条) | 危険物の運搬基準に違反しているもの | 警告 | 1 違反内容が悪質な場合、告発により対処することも考えられる。 【履行期限】 ・改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | |||||
13 | 移動タンク貯蔵所による危険物取扱者無乗車での移送(法第16条の2第1項) | 移動タンク貯蔵所により、危険物取扱者を乗車させずに危険物の移送を行っているもの | 警告 | 1 本項に該当する違反を覚知した場合は、告発を念頭に置いた調査を行う。 【履行期限】 ・原則、即時 | |||||
14 | 製造所等のおける事故発生時の応急措置未実施(法第16条の3第1項) | 製造所等における流出事故等に際し関係者が災害発生防止のため危険物の流出及び拡散の防止、流出した危険物の除去、その他の応急措置を講じていないもの | 応急措置実施命令(法第16条の3第3項・第4項) | 1 本欄は、応急措置が全く行われていない場合のほか、当該事故における最善の措置がとられていない場合も該当する。 【履行期限】 ・原則、即時 |
違反処理基準(その3)
少量危険物・指定可燃物関係
適用要件 | 一時措置 | 適用要件 | 二次措置 | 適用要件 | 三次措置 | 事例/履行期限等 | ||
みだりな火気の使用、危険物の漏れ、あふれ又は飛散等があるもの | 除去命令又は使用停止命令(法第5条の2、第5条の3) | 1 本欄に該当する事例として、塗装工場の可燃性蒸気が発生又は滞留するおそれのある場所で溶接機器等を使用している等 [履行期限] 原則、即時 | ||||||
位置、構造、設備等が基準に適合していないもので、災害発生危険が大きいもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修命令、除去命令又は使用停止命令(法第5条の2、第5条の3) | 1 本欄に該当する事例として、次のような場合がある。 (1) ボイラー室等の壁、柱、床又は天井が、不燃材料で造られ又はおおわれていないもの (2) 燃料タンクのフロートスイッチが破損又は故障しているもの (3) 吹付塗装室と作業場が防火上有効な隔壁で区画されていないもの [履行期限] 改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 | ||||
みだりな火気の使用、指定可燃物の漏れ、あふれ又は飛散等があるもの | 除去命令又は使用停止命令(法第5条の2、第5条の3) | 1 本欄に該当する事例として、指定可燃物貯蔵所の近傍で工事が行われ、エンジンカッター等の火花が周囲に拡散している等の場合がある。 [履行期限] 原則、即時 | ||||||
位置、構造、設備等が基準に適合していないもので、災害発生危険が大きいもの | 警告 | 警告事項不履行のもの | 改修命令、除去命令又は使用停止、命令(法第5条の2、第5条の3) | 1 本欄に該当する事例として、次のような場合がある。 (1) 条例別表第8で定める数量の20倍以上の可燃性固体類等を貯蔵している屋内の壁、柱、床又は天井が、不燃材料で造られ又はおおわれていないもの (2) 可燃性液体類等を収納した容器を高さ4mを超えて積み重ねているもの [履行期限] 改修、移転、除去その他必要な措置を行うために必要な合理的な期間とする。 |