○千曲坂城消防組合無窓階判定基準
令和2年6月1日
訓令第8号
(無窓階の定義)
第1条 無窓階とは、建築物の地上階のうち、床面積に対する避難上又は消火活動上有効な開口部を有しない階をいい、次に該当する階以外の階をいう。
※床面積〔建築基準法〕:建築物の各階又はその一部で、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。
(1) 11階以上の階にあっては、直径50cm以上の円が内接することができる開口部(以下「小型開口部」という。)の面積の合計が、当該階の床面積の30分の1を超える階。(以下「普通階」という。)
(2) 10階以下の階にあっては、直径1m以上の円が内接することができる開口部又は幅75cm高さ1.2m以上の開口部(以下「大型開口部」という。)が2以上有する普通階。
有効面積=W×H R=50cm以上又は1m以上 | 有効面積=W×H W=75cm以上 H=1.2m以上 |
(3) 十分に外気に開放されている部分で、かつ、屋内的用途に該当する部分については、床面積の算定上は当該部分を算入して行うとされているが、無窓階の判定を行なう上ではこれによらないものとする。
※ 無窓階の判定上は、B部分の床面積のみで判断するものとする。
(判定に係る諸条件)
第2条 開口部の位置及び構造は、次によるものとする。
(1) 床面から開口部下端までの高さは、1.2m以下であること。ただし、次に定める構造の踏み台を避難上支障のないように設け、踏み台の床面から開口部下端までの高さを1.2m以内とした場合は、この限りではない。
ア 不燃材料で造られ、かつ、堅固な構造であること。
イ 開口部が設けられている壁面とは隙間がなく、床面に固定されていること。
ウ 高さは30cm以内、奥行きは30cm以上、幅は開口部の幅以上であること。
(2) 11階以上の階を除き、道又は道に通じる幅員1m以上の通路その他の空地に面していること。
なお、「通路その他の空地」には、次に掲げるものを含むものとする。
ア 敷地外の空地(国、地方公共団体等の管理する公園等)で、将来にわたって空地の状態が維持されることが確実なもの
イ 道又は道に通じる幅員1m以上の通路に通じる広場(建築物の屋上、傾斜地、階段状の部分等)で、避難及び消火活動が有効にできるもの
ウ 空地の1m以内の部分に、樹木、塀、その他の工作物があり、かつ、容易に除去できないものがある場合で、避難及び消火活動に支障がないもの
(3) 次に掲げる事項により、内部から容易に避難できる構造で、かつ、外部から開放又は容易に破壊して進入できること。
ア 設置する錠前は、個別の鍵又は暗証番号の入力を要せずに解錠できるクレセント錠又はレバーハンドル錠等とし、補助錠を含め2以下とする。
イ 開口部に面してバルコニー等の手すり及び腰壁(以下「手すり等」という。)が設けられている場合は、手すり等の高さ(下図a)1.2m以下(学校については、足掛けが可能な床の立ち上がり部分を含まない。)とし、手すり等の上部(下図b)には、直径1m以上の円が内接することができる開口を確保する。ただし、手すり等を乗り越えることなく、別に設けられた出入口、外部階段等により開口部に行き着ける場合は、この限りではない。
ウ やむを得ず開口部に面してマガジンラック等が置かれる場合は、容易に移動できる可動式(キャスター付き)のマガジンラック等とする。
2 開口部のガラスは、次によるものとする。
(1) 厚さ6mm以下の普通板ガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラス
(2) 厚さ8mm以下の普通板ガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラスで、大きさが概ね2m2以下で天端の高さが床面から2m以下のもの
(3) 厚さ6.8mm以下の網入板ガラス、耐熱板ガラス
(4) 厚さ10mm以下の網入板ガラス、耐熱板ガラス
(5) 厚さ5mm以下の強化ガラス、耐熱板ガラス
(6) 合わせガラスに係る破壊試験ガイドラインの策定及び無窓階の判定等運用上の留意事項について(平成19年消防予第111号通知)の第2に掲げる合わせガラス
(7) 倍強度ガラス、その他のガラス
ガラス窓の判定表 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) |
引き違い窓、突き出し窓、回転窓の一部を破壊し開放した有効部分 | ○ (※2) (※3) | ○ (※2) (※3) | ○ (※2) (※3) | △ | ○ (※2) (※3) | △ | × |
はめ殺し窓(FIX)を破壊した有効部分 | ○ (※2) | ○ (※2) | × | × | ○ (※2) | × | × |
○…認められる((3)の引き違い窓のみ有効部分を1/2とする。)。△…避難階、バルコニー又は破壊作業のできる足場があれば認められる。×…認められない。
※1 複層ガラス、二重窓は、構成するガラスごとに判定する。
※2 ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)製の窓ガラス用フィルム(飛散防止フィルム、防犯フィルム等)のうち、多積層(引裂き強度を強くすることを目的として数十枚のフィルムを重ねたもの)以外で基材の厚さが100μm以下のもの、又は塩化ビニル製の窓ガラス用フィルムのうち、基材の厚さが400μm以下のものを貼付したガラスも有効
※3 PET製の窓ガラス用フィルムのうち、多積層以外で基材の厚さが100μmを超え400μm以下のもの、又は多積層で基材の厚さが100μm以下のものを貼付したガラスも有効
3 ガラス窓の有効部分は、次に示す色付きの部分とする。
引き違い窓(例) | 突き出し窓(例) | ||
回転窓(例) | はめ殺し窓(例) |
4 シャッター等の開口部は、次によるものとする。
(1) 屋内外から手動により開放できるシャッター付き開部
(2) 屋内外から電動により開放できるシャッター
(3) 屋内から手動により、屋外からは水圧により開放できるシャッター
(4) 屋外から消防隊が特殊な工具を用いることなく容易に開放(破壊)できる軽量シャッター(JIS A 4704で定めるスラットの板厚が1.0mm以下のもの)及び帆布シャッター
(5) 屋外から消防隊が特殊な工具を用いることなく容易に開放できる帆布製の開口部、又は開放(破壊)範囲をマーキングした部分(消防の進入口である旨も併記する。)
シャッター等の判定表 | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
シャッター等を開放した有効部分 | ○ | △ | ○ | ○ | ○ |
○…避難階、バルコニー又は破壊作業のできる足場があれば認められる。
△…避難階、バルコニー又は破壊作業のできる足場があり、かつ、非常電源があれば認められる。
附則
この基準は、令和2年11月17日から施行する。
附則(令和5年6月20日訓令第4号)
この基準は、令和5年7月1日から施行する。