○千曲坂城消防本部無人航空機運航要領

令和2年3月10日

訓令第1号

千曲坂城消防本部小型無人航空機運航要領(平成28年1月29日訓令第1号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この要領は、航空法(昭和27年7月15日法律第213号。以下「法」という。)に基づき千曲坂城消防本部管轄区域内における災害現場等で飛行する無人航空機の安全運航について必要な事項を定めることを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

2 無人航空機とは、法第2条第22項に掲げる航空機をいう。

3 自動操縦とは、操縦者の目視誘導に頼らず、GPS(Global Positioning System)受信機、プログラム等により自動的に操縦を行うことをいう。

(運航管理者)

第3条 無人航空機の運航管理者(以下「運航管理者」という。)は、警防課長とする。

2 運航管理者は、無人航空機の維持管理及び災害、訓練、警防調査、予防調査等における運航管理を統括する。

3 運航管理者は、安全運航、操縦者の技術向上、災害出動隊との連携、操縦者育成等を目的とした訓練を計画し、実施させるものとする。

(運航責任者)

第4条 無人航空機の運航責任者(以下「運航責任者」という。)は、第5条に定める操縦者の中から運行管理者が指名するものとする。

2 運航責任者は、無人航空機を災害、訓練、警防調査、予防調査等において、安全、かつ有効に運航するものとする。

3 運航責任者は、運航管理者の計画により、月2回以上の操縦訓練を実施するものとする。

(操縦者)

第5条 無人航空機の操縦者(以下「操縦者」という。)は、別に定める訓練を実施し安全運航に適当と認められる者を運航管理者が指名するものとする。

2 指名された操縦者は、無人航空機の維持管理及び災害、訓練、警防調査、予防調査等における操縦を行うものとする。

(無人航空機隊の編成)

第6条 無人航空機を飛行させる場合には、操縦者及び安全監視員で編成し、原則として運航責任者を含めて3名以上で運航するものとする。ただし、運航責任者が不在の場合には、運航管理者が指名した者が運航するものとする。

(災害時における運航)

第7条 運航責任者は、現場最高指揮者から報告された現場状況等から判断し、無人航空機の運航が必要と認められる場合は、前条に定める編成を行い運航するものとする。

2 運航責任者が不在の場合は、現場最高指揮者の判断により運航を操縦者に命令することができる。

3 操縦者は、現場最高指揮者及び運航責任者の指揮により無人航空機の運航を行うものとし、操縦する場合には、無人航空機を飛行させていることが分かるように表示するものとする。

4 運航責任者は、災害時に無人航空機の運航を行ったときは、運航報告書(様式第1号)により運航管理者へ報告するものとする。

(訓練における運航)

第8条 操縦訓練の際には、十分な経験を有する者の監督下で行うものとし、訓練場所は以下に定める場所で行うものする。

訓練項目

訓練場所

屋内での訓練

戸倉インドアコート 千曲市大字磯部1406―1

屋外での訓練

万葉の里スポーツエリア 千曲市大字上山田3813―27

2 前項に定める訓練は、送信機の操作に慣れるため、以下の内容の操作が容易にできるようになるまで10時間以上の操縦訓練を実施するものとする。

項目

内容

離着陸

操縦者から3メートル離れた位置で、3メートルの高さまで離陸し指定の範囲内に着陸すること。

この飛行を5回連続して安定して行うことができること。

ホバリング

飛行させる者の目線の高さにおいて、一定時間の間、ホバリングにより指定された範囲内(半径1メートルの範囲内)にとどまることができること。

左右方向の移動

指定された離陸地点から、左右方向に20メートル離れた着陸地点に移動し、着陸することができること。

この飛行を5回連続して安定して行うことができること。

前後方向の移動

指定された離陸地点から、前後方向に20メートル離れた着陸地点に移動し、着陸することができること。

この飛行を5回連続して安定して行うことができること。

水平面での飛行

一定の高さを維持したまま、指定された地点を順番に移動することができること。

この飛行を5回連続して安定して行うことができること。

3 基礎的な操縦技術を習得した上で、目視飛行及び目視外飛行で以下の内容の操作が可能となるよう操縦訓練を実施するものとする。

項目

内容

対面飛行

対面飛行により、左右方向の移動、前後方向の移動、水平面内での飛行を円滑に実施できるようにすること。

飛行の組合

操縦者から10メートル離れた地点で、水平飛行と上昇・下降を組み合わせて飛行を5回連続して安定して行うことができること。

8の字飛行

8の字飛行を5回連続して安定して行うことができること。

4 前項で定めた操縦技術を維持するため、随時実施するものとする。

5 訓練を実施する操縦者は、運航管理者が定めた訓練指揮者及び安全主任者の指揮により無人航空機の運航を行うものとする。

6 訓練を実施した操縦者は、訓練実施報告書(様式第2号)により運航管理者へ報告するものとする。

(運航時における安全管理)

第9条 運航管理者は、災害、訓練、警防調査、予防調査等により無人航空機を運航させる場合には、次に掲げる安全管理を徹底しなければならないものとする。また、操縦者は、次に掲げる内容を遵守しなければならないものとする。

2 運航前、運航後及び20時間の飛行ごとに点検を以下のとおり確実に実施させること。なお、20時間の飛行ごとに点検を行った際には、「無人航空機の点検・整備記録」(様式3)により、点検、整備を実施した者にその実施記録を作成させるものとする。

(1) 運航前の点検

 各機器は確実に取り付けられているか。

 モーターの異音はないか。

 プロペラに傷やゆがみはないか。

 バッテリーの充電量は十分か。

(2) 運航後の点検

 機体にゴミ等の付着はないか。

 ネジのゆるみはないか。

 モーターやバッテリーの異常な発熱はないか。

(3) 20時間の飛行ごとの点検

 交換の必要な部品はあるか。

 ネジのゆるみはないか。

 プロペラに傷やゆがみはないか。

 フレームのゆがみはないか。

3 場所の確保、周辺状況を十分に確認し、第三者の上空では飛行させないものとする。また、無人航空機が操縦不能となった場合でも、人身及び物件に被害を及ぼさないように周囲の安全を確保するものとする。

4 多数の者が集合する場所の上空を飛行することが判明した場合には即時に飛行を中止するものとする。

5 十分な視程が確保できない雲や霧の中では運航しないものとする。

6 運航前に電磁波測定器を用いて計測し、郊外では0.05μW/cm2、都市部では0.10μW/cm2を超える数値の場合には飛行をさせないものとする。

7 飛行前に、航行中の航空機を確認した場合には、飛行しないものとする。また、飛行中に航行中の航空機を確認した場合には、着陸させるなど接近又は衝突を回避させるものとする。

8 飛行前に、飛行中の他の無人航空機を確認した場合には、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について、他の無人航空機を飛行させる者と調整を行うものとする。また、飛行中の他の無人航空機を確認した場合には、着陸させるなど接近又は衝突を回避させ、飛行日時、飛行経路、飛行高度等について、他の無人航空機を飛行させる者と調整を行うものとする。

9 雨の場合又は雨になりそうな場合は飛行させないものとする。

10 飛行場所周辺の風を風速計を用いて状況を確認し、風速5m/s以上の状態では運航させないものとする。

11 酒精飲料等の影響により、無人航空機を正常に飛行させることができないおそれがある間は、飛行させないものとする。

12 飛行の危険を生じるおそれがある区域での上空での飛行は行わないものとする。

13 不必要な低空飛行、高調音を発する飛行、急降下など、他人に迷惑を及ぼすような飛行を行わない。

14 物件のつり下げ又は曳航は行わないものとする。

15 無人航空機の安全を確保するため、製造事業者が定める取扱説明書に従い、定期的に機体の点検、整備を行うとともに、点検、整備記録に記入するものとする。

16 無人航空機を飛行させる際は、次に掲げる飛行に関する事項を「無人航空機の飛行記録」(様式4)に記録するものとする。

(1) 飛行年月日

(2) 無人航空機を飛行させる者の氏名

(3) 無人航空機の名称

(4) 飛行の概要(飛行目的及び内容)

(5) 離陸場所及び離陸時刻

(6) 着陸場所及び着陸時刻

(7) 無人航空機の飛行の安全に影響のあった事項

17 無人航空機のバッテリー切れによる墜落を防止するため、残量を常に確認させながら飛行するものとする。

18 安全運航を確実にするため、適切な人数の安全監視員を配置するとともに、飛行状況をモニター等にて常時監視し、飛行範囲に第三者が立ち入らないよう注意喚起するものとする。

19 飛行場所付近の人又は物件への影響をあらかじめ現地で確認、評価し、安全監視員の増員、事前周知、物件管理者等との調整を行うものとする。

20 人又は物件との距離が30メートル以上確保できる離発着場所及び周辺の第三者の立入りを制限できる範囲で飛行経路を選定するものとする。

21 飛行場所に第三者の立入り等が生じた場合には、速やかに飛行を中止するものとする。

22 人又は家屋が密集している地域の上空では夜間飛行は行わないものとする。

23 人又は家屋が密集している地域の上空では目視外飛行は行わないものとする。

24 夜間の目視外飛行は行わないものとする。

25 安全監視員は、その他現場状況により安全運航に必要な措置を講ずるものとする。

26 運航の際には、無人航空機を飛行させる者は許可書又は承認書の原本又は写しを携行するものとする。

(飛行の制限)

第10条 運行管理者は、次の場所及びその上空では飛行させないこととする。

(1) ヘリコプターなどの離発着が行われ、航行中の航空機に衝突する可能性があるような場所。

(2) 第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近。ただし、学校や病院等から依頼があった場合は、休校日や休診日、早朝等第三者が往来する可能性が低い時間帯に限り、飛行経路を当該施設敷地内に限定し、第三者の立入り制限を行いつつ一定の広さのある場所において飛行させるとともに、突風などを考慮して当該場所の付近(近隣)の第三者や物件への影響をあらかじめ現地で確認及び評価し、補助者の増員、事前周知、物件管理者等との調整を行うものとする。また、第三者の立入り等が生じた場合は速やかに飛行を中止するものとする。

(3) 高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近。

(4) 高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等の施設付近。

(5) 人又は家屋の密集している地域の上空における飛行、地上又は水上の人又は物件との間に30メートルの距離を保てない飛行を行う際の体制は、次のとおりとする。

 飛行させる無人航空機について、プロペラガードを装備して飛行させる。

 無人航空機の飛行について、補助者が周囲に周知を行う。

(6) 目視外飛行を行う際の体制については、次のとおりとする。

 飛行する経路下に第三者がいないことを確認し、双眼鏡等を有する補助者のもとで飛行させること。

 操縦は、目視外飛行の訓練を修了した操縦者が行うものとする。

 補助者についても、飛行させている無人航空機の特性を十分理解させておくものとする。

(7) 前各号に掲げるもののほか、長野県都市公園内での運航は、長野県都市公園条例(昭和41年長野県条例第23号)によるものとする。

(自動操縦)

第11条 自動操縦を使用する場合は、機体の取扱説明書に従い安全な航路を設定するものとする。

(許可・承認)

第12条 法第132条ただし書の規定による許可及び同法第132条の2ただし書の規定による許可・承認の内容に変更が生じた場合は、直ちに東京航空局保安部運用課にその旨を報告するものとする。

(実績報告)

第13条 許可承認期間の開始日から3箇月ごと及び許可・承認期間終了までの飛行実績の報告を東京航空局保安部運用課に行うものとする。

(非常時の連絡体制)

第14条 無人航空機の飛行による人の死傷、第三者の物件の損傷、飛行時における機体の紛失又は航空機との衝突若しくは接近事案が発生した場合には、直ちに運航責任者に報告し、次に掲げる事項を直ちに、警察署、その他必要な機関等へ連絡するとともに、以下のとおり許可等を行った地方航空局保安部運用課まで報告するものとする。なお、夜間等の執務時間外における報告については、24時間運用されている最寄りの航空事務所に電話で連絡を行うものとする。

(1) 無人航空機の飛行に係る許可等の年月日及び番号

(2) 無人航空機を飛行させた者の氏名

(3) 事故等の発生した日時及び場所

(4) 無人航空機の名称

(5) 無人航空機の事故等の概要

(6) その他参考となる事項

東京航空局保安部運用課 電話03―6685―8005

最寄りの空港事務所(東京空港事務所)

※平日のみ 電話03―5757―3022

※夜間・休日 電話03―5756―1531 緊急の場合に限る

(保険)

第15条 運航管理者は、墜落等の事故に備え、損害保険に加入するものとする。

(その他)

第16条 無人航空機の安全運航に関し、この要領に定めのない事項については、運航管理者が別に定める。

この要領は、公布の日から施行する。

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千曲坂城消防本部無人航空機運航要領

令和2年3月10日 訓令第1号

(令和2年3月10日施行)