○千曲坂城消防組合再燃火災防止規程

昭和57年7月1日

訓令第7号

(目的)

第1条 この規程は、再燃による火災(以下「再燃火災」という。)の絶無を図るため、必要な事項を定めることを目的とする。

(用語)

第2条 この規程における用語の意義は、次の各号に定めるところによる。

(1) 再燃火災 消防隊が火災現場から引き揚げた後、再び出火し消防隊によって消火の必要がある燃焼現象をいう。

(2) 再燃火災防止活動 火災鎮火後、現場保存に配意しながら隠れた火源を再度徹底して点検し処理する活動をいう。

(3) 警戒 消防隊が火災現場を引き揚げた後、再燃火災の発生を未然に防止するため、随時火災現場に出向し、再燃火災防止活動を行うことをいう。

(現場指揮者)

第3条 現場指揮者は、各消防隊を指揮監督し、再燃火災の絶無を期さなければならない。

(再燃火災防止の活動)

第4条 消防隊員は、別表に定める再燃火災防止活動基準(以下「基準」という。)により、活動を行わなければならない。

(残火確認及び鎮火の決定)

第5条 現場指揮者は、必要に応じ残火処理チェックカード(様式第1号)を提出させ点検するとともに、現場を確認の上鎮火の決定をするものとする。

(関係者等の承認)

第6条 基準により破壊作業をするときは、努めて関係者の承認を得た後、行わなければならない。ただし、関係者が不在のたの承認を得られない場合は、現場にいる警察官又はその他状況を立証できる者と協議の上必要な措置を講ずるものとする。

(関係者の協力)

第7条 署長は、消防隊が現場を引き掲げるとき、再燃火災防止のため必要のある建物等の関係者に、次の各号により協力を求めなければならない。

(1) 関係者に対しては、協力書(様式第2号)を交付するものとする。

(2) 近隣住民に対しては、協力依頼書(様式第3号)を交付するものとする。

(警戒)

第8条 署長は、次の各号に掲げる場合、消防隊をもって警戒を行わせなければならない。

(1) 建物火災、林野火災で気象条件が火災警報、異常乾燥注意報又は強風注意報のいずれかが発令中の場合とする。

(2) 建物火災のうち、構造が木造及び防火造りの場合で、小屋裏、天井、壁体内又は床面等の未燃焼部分に焼け止まりがある場合とする。

(3) 前各号以外で、焼損物件が特殊可燃物の場合、その他再燃のおそれがある物件が多量の場合とする。

(4) その他署長が必要と認めた場合とする。

(警戒の解除)

第9条 署長は、火源がないと判断した場合、以後の警戒は解除することができる。

(点検記録)

第10条 第2条から第9条までの規定に基づいて警戒を行った分隊長等は、警戒時点検処理報告書(様式第4号)により署長に報告しなければならない。

(報告)

第11条 署長は、再燃火災が発生したときは、再燃火災発生報告書(様式第5号)に基づいて、直ちに消防長に報告しなければならない。

2 前項の報告書には、警戒時点検処理報告書(様式第4号)を添付しなければならない。

(その他)

第12条 その他必要な事項は、消防長が定める。

この規程は、昭和57年7月1日から施行する。

(平成15年9月1日訓令第5号抄)

(施行期日)

第1条 この規程は、平成15年9月1日から施行する。

(令和3年5月1日訓令第7号)

この規則は、令和3年5月1日から施行する。

別表(第4条関係)

再燃火災防止活動基準

(建物火災)


留意事項

活動着眼点及び点検処理方法

部分焼

1 部分焼の火災は比較的焼損範囲が局部的であり、再燃防止を意図とする処理活動の徹底により再燃危険は著しく減少される。

2 再燃火災防止活動に際しては、建物関係者の協力又は承認を得るとともに、再燃に関する事後管理及び措置の徹底を図る。

1 床面

(1) 畳面は、畳の合せ目及び敷居等の木部の接続部を点検し、焼焦部分があるときは、床板を確認するとともに、必要に応じて畳等を屋外の安全な場所へ搬出し、処理する。

(2) 畳以外の床面で焼け抜け等を生じている場合には、根太等の床組構造材まで点検し、焼け止まりを確認し、処理する。

2 壁体

(1) 木壁面は、焼焦であっても、壁材合せ目及び壁体内部を点検し、処理する。

(2) モルタル及び耐火ボード等の不燃材で構成される壁体は、火源探知が困難であるため、素手による表面温度差等によって勘案し、必要とあれば壁体上部を小破壊し、処理する。

(3) 焼損した壁面に位置する押入れ及び天袋等内部並びにその内容物も徹底して点検し、処理する。

3 天井及び小屋裏

燃え広がりが天井に至っている場合には、必ず天井板(耐火ボードを含む。)を小破壊して小屋裏まで点検し、必要な処理を施す。

4 その他

(1) 居室内等建物内部に焼き物、炭化物を集積放置することなく、屋外の安全な場所へ搬出し、処理する。

(2) 外見上火源確認困難な箇所及び布団等の消火困難な焼き物については、状況により必要な点検及び処理をする。

(3) その他上記以外の箇所及び焼き物品については、状況により必要な点検及び処理をする。

半焼

1 半焼の火災は、焼け止まりが随所に存在し、徹底した再燃火災防止活動を欠くことにより、極めて再燃危険大である。

2 建物関係者がいる場合には、再燃についての協力書を交付し、破壊作業等を含む再燃火災防止活動の理解を求め、更に事後管理に対し協力を依頼する。

3 建物関係者が不在の場合には、努めて警察官等と協議の上、必要、かつ、適正な処置を講ずる。

1 床面

(1) 床板等が焼失している場合には、その下底部の床組構造材及び焼き堆積物を点検し、必要な場合には堆積物等を取り除き、処理する。

(2) 床板の一部が残存している場合は、床面の焼け止まり及びその床板裏面を点検し、処理する。

2 壁体

(1) 焼け止まり状況を呈する木製及びモルタル並びに耐火ボード等二重壁については、消火死角面の火源確認を行うため、必ず壁体内部を小破壊して点検し、処理する。

(2) 壁体面に据え置かれている家具等の背面及び押入れ、天袋等内部は、注水死角面でもあるので、速やかに点検し、処理する。

(3) 外壁面のモルタル及び亜鉛張りの内部は、素手で触れる等して火源を確認し、小破壊し、消火する等必要な処理を施す。

(4) 外壁の戸袋内部及びその周辺についても点検し、処理する。

3 天井及び小屋裏部分

壁体から燃え広がりを呈している場合には、天井との接続部分及び小屋裏を点検し、処理する。特に小屋裏の点検については、燃焼状況によるが野地板棟木を重視する。

4 その他

(1) 床面に落下した亜鉛板及び主構造材の下方にある焼き物を、点検処理する。

(2) 布団等の綿花類をはじめ、マット及び畳くず、木くず、ゴムくず並びに紙類等で、消火困難な物品は、状況により屋外等の安全な場所へ搬出し、処理する。

(3) 火災の状況により、輻射熱及び飛火による隣接棟への延焼に留意し、適切な火源確認を実施し、処理する。

(4) 部分焼区分に準じて点検及び処理する。

(5) その他上記以外の箇所及び焼き物品については、状況により必要な点検及び処理をする。

全焼

全焼火災は、焼き残存部分を重点的に処理することにより、再燃危険は取り除かれる。

全般

(1) 床面壁体及び構造材の残存部分焼け止まりを点検し、処理する。

(2) 落下及び残存している各構造材のほぞ組部分を点検し、処理する。

(3) 瓦、亜鉛板その他構造材を取り除きながら、下方部の堆積焼き物を点検し、処理する。

(4) 部分焼き及び半焼区分に準じて点検及び処理する。

(5) その他上記以外の箇所及び焼き物品については、状況により必要な点検及び処理をする。

その他活動上の注意事項

1 建物火災における部分焼時の再燃火災防止活動は、消防隊の放水体制確保を前提とし、可能な限り水バケツ等を使用して水損防止を図る。

2 注水については、全般に低圧注水で状況により棒状及び噴霧を併用し、更に風上から順次障害物等を排除しつつ行うこと。

3 建物火災をはじめ、全般に火災原因調査を考慮し、みだりに内容物等を搬出移動しないとともに、必要以上の破壊も慎むこと。

4 再燃危険箇所は、火源確認箇所と消火困難箇所とに大別され、処理活動については、建物構造上その他の特性を勘案し、各種資機材を有効に活用して実施すること。

5 屋根瓦の落下等その他危害防止に配意するとともに、各隊協力し、円滑に処理活動を実施すること。

6 点検処理活動の実施状況を必要に応じて写真撮影しておくこと。

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千曲坂城消防組合再燃火災防止規程

昭和57年7月1日 訓令第7号

(令和3年5月1日施行)